INTERVIEW
ティンペッツ結成5周年記念対談
加鹿洋平(下北沢DaisyBar / Laguna)✕ 吉田 翔平(ティンペッツ)
バンド結成5周年を記念し、ティンペッツのホームであるライブハウス「下北沢DaisyBar / Laguna」でボーカル吉田がたいへんお世話になっている加鹿さんとの対談企画。
ライブにも練習にも遊びにも下北沢を訪れる吉田が下北沢に行く時に必ず寄るのは加鹿さんのいる事務所。
そんな2人の出会いのきっかけからティンペッツ結成に至るまでなど、5年間を振り返りながらの対談をお届けします。
2022.08.06 UP
INDEX
昔、企画の前、泣きながら電話してきてたじゃん(笑)
吉田:今日はティンペッツ結成5周年ということで、長編対談をやることになりましたが。
加鹿:手短にやりましょう。
吉田:長編対談っつってんじゃん(笑)。
5周年で一つの節目ということで、一番お世話になっている下北沢DasiyBar / Lagunaの加鹿さんと今日はお話をするっていうことで。よろしくお願いします。
加鹿:お願いします!
吉田:出会いは?
加鹿:一番最初はmollが連れてきたんじゃなかったでしたっけ。
吉田:グランジバンドのmollの紹介でね。そのときのこと覚えてる?
加鹿:ぜんっぜん覚えてない。一番最初の一番最初でしょ?
「mollのスタッフで」って、自分も歌ってるって言われて、うん。そうなんですねっつって。じゃあライブやんなさいよって。一番最初のライブも正直全然覚えてない。
吉田:本当?
加鹿:マジで全然覚えてない。何を話したのか全く覚えてない、一番最初。
吉田:平日で大学終わりでライブして。
加鹿:当時いくつだった?
吉田:25歳。非日常感がないっていう話しされたよ(笑)。
加鹿:全然覚えてないね。
吉田:そこから数年経ってティンペッツ組んで。
加鹿:吉田 翔平ソロのときも企画やったよな?
吉田:やったよ。
加鹿:昔、企画の前、泣きながら電話してきてたじゃん(笑)
吉田:泣いてないけどね(笑)。 ただイベント日の前日はよく加鹿さんに連絡してたよね。
それこそまだ多分連絡先とかも交換してなかったから、店に電話して、加鹿さんいますかっていうのをしょっちゅうやってた気がする。
吉田:そういうところからの付き合いで、ティンペッツが2017年に結成して。
加鹿:ソロで何年やってたの?
吉田:5年かな。ソロの後期から加鹿さんにお世話になってて。
加鹿:ソロの後期なんだ。
吉田:一応、ティンペッツになってからは、ここで自主企画は3回やって3回とも、一応ソールドだということで。3回目は開催日数日前に予約でソールドした。
加鹿:その前のソロの企画は誰が出たんだっけ。
吉田:スパイシーコウヤドウフ。エロス、営み。森の子町子。あと加鹿さんが呼んでくれたブリザード渋谷さんのバンド。
加鹿:ギャスコイの!俺の大好きなギャスコイね。The Ninety’s numberってバンドだ。ティンペッツ一番最初の企画は?
吉田:一番最初の企画は、マジックアワーっていうシングルを出して。その企画、森の子町子とサテライタウン、pertorika。その後 pertorika、加鹿さんが何度も呼んでるから!Lagunaに。それが1回目の企画。
加鹿:2回目がRiNGO TONE。
吉田:そうですね。2回目ですね。これもソールドということで。
加鹿:3回目がThe Cheseraseraとdaisansei。
吉田:その3回やったけど何かホームっていう割にはさ、全然ここでやってないじゃん。
加鹿:そうですね。回数で言ったら。
吉田:そうそうでも何か大事なライブは、ここでやりたいっていうふうに思ってるから、
一応気合入れて、やってきたんですけど。
1回目のWWWのチケットが2年経ってもデスクの前に貼ってある
吉田:今ティンペッツ4年とちょいぐらいですけど、本当に初めのうちはお客さんとして、友達に声かけてっていう、ところからスタートしていったけど。
加鹿:うん。
吉田:なんか弾き語り全国ツアーとかもやらせていただくようになって。
各地、その静岡とか神戸とか全く知り合いないけど、お客さんからちゃんとチケット予約入って。新幹線使いまくったけど、それでも黒字でね、回ることできて。
加鹿:友達呼んでこないやつは逆にファンなんか来ないんだよね。いろんな人見さしてもらって。もちろんそうじゃない人もいると思うけど。
吉田:大事なときしか出ないっていうのを決めてるから。年に一、二回かなっていうのを思ってて。
加鹿:そしたら今年の他の会場でのライブ、もう全部大事じゃないってことだな?(笑)。
吉田:そんなことない、そんなことない(笑)。
5月1日にDaisyBarでライブ出させてもらったときに、それこそね、俺が大事にしてるっていうのをファンの人は知ってたからか、チケット21枚も売れてね。
たくさんお客さんにも見てもらって、ちょっとは成長した姿を見せられたんじゃないのかなっていうのは思ってるんだけど。
加鹿:やっぱり、ちゃんと頑張ってきたなっていうのはね。
もちろんこっからが。頑張ってるバンドいっぱいいるからね。
もう世の中みんなね、本当にステージに立つ人は本当にすごいっすよ。(自分は)見てるだけですからね。
吉田:そういうと加鹿さんもね、一ヶ月でDasiyBarで10本、Lagunaで20本ぐらいイベント入れてるじゃん。
加鹿:数で言ったらね。
吉田:1人で一ヶ月で30日ぐらいイベントを作ってるでしょ。
加鹿:それ365日、1年でしょ。でも昼と夜とかで1コマって考えたら、400ぐらいは超えてるな(笑)。
吉田:そんなすごいのにさ、加鹿さん、全く下北沢で有名じゃないよね。
加鹿:別にそんなすごいことだと思ってないし。そんな、誰かが何か見てすげえなって思うかは別に思わないでしょ。
吉田:400本イベント埋めてってなると、なかなかいないと思ったけどな。
加鹿:別にそんなの自慢にも何にもなると思ってないから別にね。誰でもできると思ってますよ。
吉田:でも、加鹿さんがそれだけちゃんと仕事してるって知ってるんで。
加鹿:わかんないけどね。だから自分ではちゃんとしてると思ってるけどさ、それが世の中の人はどうなのかなんか全然わかんないから。
吉田:だから俺は加鹿さんとやりたいっていうか、大事なイベントはここでやりたいっていうのはあってね。もう7年ぐらいの付き合いですか。
加鹿:はい。
吉田:7年ぐらいの付き合いで、本当に下北沢来るたびにこの事務所に顔出してるから。もう何年も下北沢なんて週2ぐらいでいるからすごい頻度で来てんだけど。
そうやって進捗を伝え続けて、結成して2年でWWWやるって決めてたからそれをね、加鹿さんにまず一番に連絡して。そして加鹿さんが手売りチケットを買ってくれて、それがまだ事務所に貼ってあると。
あれすごい嬉しくて。別に剥がしてもいいじゃんもうあんなの。
加鹿:何か捨てるってのはね。剥がしたらもう捨てるでしょ。
吉田:それがいまだに貼ってあるのが、俺の一つのモチベーションになってるっていうか。
吉田:正直、1回目のWWW中止になったときに、色々条件とかもあってかなりの金銭的な損失があったんだけどね。
だからWWWじゃなくてもいいっていう気持ちもあったけど。
やっぱ、あそこを2年目で目指したっていう目標があったから、何とかもう1回やりたいっていう気持ちもあって。
今回あれから2年半かかったけど、11月にやることになりまして。
加鹿:うん。
初めて会った時からセカイイチと対バンしたいっていう話はしてた
吉田:それこそ一番初めにDaisyBarに来たときから加鹿さんには話してる思うけど、俺セカイイチってバンドが好きで、彼等のライブに足を10代からずっと運んでて。
それでいろんなライブハウス知ったっていうか。
だからライブハウスの初めてはセカイイチに全部取られたっていうか。
加鹿:11月のWWWは2マンですよね。ケチョンケチョンにしてね(笑)。
吉田:なんか本当に毎日夢見てたようなことがついに叶うっていう。
加鹿:そうですね。でもちゃんとね、時間もかかったけど、ちゃんとやってたからね。
吉田:いや嬉しい。加鹿さんがそう言ってくれて。
加鹿:1回うまくいかなくてね。またもう1回うまくいかなくて、って繰り返してね。
1回目で上手くいくような人間じゃないからさ、俺たちは。
吉田:うん。
加鹿:そりゃね、1回目でバンバンバンバン扉こじ開けていく人もいるけど、
俺たちは違うからね。1回目、絶対最初っから上手くいかないから。
俺もそうだけど何年もかけて。そこに何回もしつこく挑んで。
なんとなくできるのはわかってるから。
できるのはわかってるんだけど、こんぐらい時間がかかるなっていうのわかるようになったし。
それがもう2年とか3年とかかかるのか、全然我慢できるし。ずっとずっと同じとこを叩き続けるのはもう何年でもできるから。
それはなんか俺の自分の中でいいとこかなと思ってるし。
吉田:そういうところは似てるのかな。
加鹿:じゃないですか。懲りないですね(笑)。
吉田:でもセカイイチと何とかできて、すごい良かったなと思うし。
毎日嬉し涙と震えが止まらない(笑)。
加鹿:気合が入るんじゃないすか。こないだ前のサポートの野崎くん(WELL DONE SABOTAGEのDr)が来てさ。「ティンペッツ、WWW決まったんですね〜!」って。
吉田:野崎くんには関係者で最初に教えたから!
加鹿:うん、聞いたよっつって。なんかさ、「良かったですね!すごいですよね!」って。
ちゃんと、ちゃんと あれはなんかジワッとした。
吉田:それ聞いて俺も感動した。やっぱ前のWWWで飲んだ涙っていうのは結構お金の面も多くて。
加鹿さんよく俺のことすごいデブデブってイジるけどさ、(笑) 俺、想像しうるバイトは全部今までやってきて。
加鹿:そこ片付けないと話進まないでしょ(笑)。これ見てスルーできないだろ!
この人間が目の前に現れて体をいじらなかったら(笑)。
吉田:飲食でしょ。接客でしょ。森○牛乳の営業でしょ。コールセンターでしょ。あと何だろうな、派遣の設営とか。
あと実はライブハウスで働いたことある。
加鹿:ライブハウスもあるんですか?
吉田:今まで一度も言ったことなかったけど(笑)。横須賀かぼちゃ屋っていう。
これだけアルバイトしてきたからお金の稼ぎ方というか、自分でも知ってるつもりだし。
何気なく話してるだけでも、例えば1分話してるだけで時給で考えたら約15円ぐらいお金入ってくるわけで。
1分なんか話してるだけですぐ過ぎていくし、それで最低賃金で計算したら1分15円入ってくる中で。
でも音楽で15円稼ぐことはすごく難しくて。
ソロ時代に1ライブで30万円負担したから、音楽で稼ぐ難しさは誰よりも知ってるつもり
吉田:吉田 翔平ソロ時代俺がリリースイベントしたときに、
サポートのスタジオ代と、ハコ代とレコーディング代等、ミックスマスタリング、CDプレスとかで、1日30万かかったライブがあって。
だからそういうソロの自己負担を経て、音楽でのお金の動きというか、そういうのは誰よりも知ってるつもりで。
だからやっぱ、前回の中止になったWWWで失った誰も得しないお金っていうのは、結構きつかったなっていうとこがあったんだけど。
加鹿:そうだね。だって、あれが大手の有名なちょっと立場の違うバンドだったらね。
変な話、いいっすよって言ってると思うよ。お前らがそのインディーズでWWW初めましてで。
吉田:うん。
加鹿:ティンペッツ知らないでしょっていった部分で請求してきたわけで...。
だから俺むかついたんですよ。怒ってたでしょ。
吉田:怒ってたと思う。ていうか、加賀さん結構いろんなこと忘れてるけど、そのことは覚えてたから驚いている。(笑)
加鹿:足元見られたなと思ったから。
吉田:でもそのときに、やっぱそこでへこたれるんじゃなくて。
すごい発起して頑張ったタイミングで、ツイキャスとかをやり始めてそれで全国のファンに応援してもらえるようになったというか。
だからやっぱりそこでへこたれなかったっていうのはすごいデカくて。
加鹿:ですね。やるしかないからね。
もうやるかやらないかで、もうやらないんだったらもう辞めるしかないし。でもやるんだったらやるしかないから。
加鹿:単純なことですけどね。けどやっぱり大変だよね。やるって言って何やるか自分で決めなきゃいけないし。
吉田:うん。だから辞めるって選択肢は当然あるけど、俺にはそれがない。
ただティンペッツをやっていきたいという気持ちだけで転がってってるんだけど。
だから2回目こそはコロナに邪魔されたくないなって気持ちも強くて。
加鹿:極端な対応だったからねあの時は。本当に最初だから、今では考えられないような。
ティンペッツの活動、5年続くと思った?
加鹿:でもお前たちも結構 (バンド存続において) ずっとギリギリのとこいってたけどね。
吉田:そうかな?
加鹿:お前だけじゃん、変な話その続ける意志があったのって。
吉田:うーん。ていうか 俺たちが結成した時、5年続くと思った?
加鹿:ティンペッツが5年もつかどうかはわかんなかったけど吉田 翔平はもつのは分かってた。
メンバーにはさ、やっぱりちょっとむかつく時期というか、乗り越えていろんなことが環境変わってきたから、全然違うと思うんだけど、やっぱり言ったらワンマンバンドというかさ。
もう全部の舵取りが吉田 翔平っていうのはさ、もう最初から決まってたじゃん。
吉田:まあね。
加鹿:友達から始まって人間関係の時点でもうそこは。
多分これも何回も言ったと思うけど、みんなで責任を分け合って、俺の役割これ俺の役割これって言ったって、お前と同じぐらい働く奴は絶対ないからそれは諦めなさいよって。
俺だって諦めてる。この会社で働いてて。
全然仕事の量違うし。しょうがないよね。俺は俺で自分のことを見張るしかないから、人のことをやってらんないし。
吉田:加鹿さんのそういうところを俺もバンドで参考にしてて。やっぱりお金とかなるべく4で割ってるけど、でも絶対に俺の仕事量を4分の1にすることはできないから。
加鹿:それはもうだって世の中全部そうじゃん。学校で勉強とかしてるやつですらさ、宿題は俺も名前入れといてみたいな。それでいいと思うけどね。
俺たちがさ、手にしているものは、それは何か数字の部分ではさ、割が悪いって見えるかもしれないけどさ、数字じゃない見えないものでいったらめちゃくちゃ大きなもの得てるじゃん。
どこに行っても1人でやっていけるっていう自信。
吉田:まあそうね。
加鹿:ていうのがやっぱり手に入れられてるから。それはやっぱりデカいですよね。
吉田:それは俺もあって。
加鹿さんのスタイル・・・誰も他人は助けてくれないんだよっていう。
そのスタイルを見て俺がバンドで実践してることは、仲が良いのは前提として、メンバーを信頼はしてるんだけど、信用はしていないっていう。
加鹿:うん。
吉田:そうは言いつつも友達として仲間としてすごく尊敬してる部分がたくさんあって。
付き合い20年の中で、毎日お疲れとか、ありがとうとかおはようとか、基本的なことだけど、そういうのってこっぱずかしくて普通できなくなるじゃないすか。
でも彼らはそういうのをちゃんとできる人たちで。
加鹿:人間としてはみんな普通にいいやつ。そこが救いだよね。
なんか女にだらしないとか、時間守らない奴とかいないでしょ。
吉田:いないいない(笑)。
加鹿:それはあいつらの本当にいいところだよな。
吉田:そう。
加鹿:女に手を出す奴いっぱいいるよ、マジで(笑)。なんだよコイツらって。
吉田:だからバンドが各々続けられる素養はちゃんと持ってるとは思う。
その上で俺が舵を取っていく覚悟っていうのは常にあって。
でも彼らはそういう人としてベーシックなところはすごくちゃんとしてるから、すごく尊敬はしてる。
加鹿:いいとこあるよあいつら。だからこの前さ、ギルバート慶君のライブとかメンバーみんなで観に来てくれたりするじゃない。ああいうのってすごい好き。
あと、吉田 翔平ソロのライブをメンバーみんな観に来たりするじゃない。
ああいうのがね、一番俺は大事だと思ってて。
そういう部分、あいつらのこと好きだな。
みんなでさ、ちゃんと何かそこ考えてるというか。
吉田:なんか、UVERworld が未だにそういうことしてるらしいよ。(笑)
加鹿:いやだからそういうのが俺はすごい好き。
俺も実際バンドをちょっとの間やってたときに。
吉田:うん。
加鹿:最後のバンドやってた時に、それまでのバンドなんかも本当ただただやってたみたみたいな感じだけど。
最後のバンドはね、俺はベースだったんだけど、ギターボーカルの人の書く曲がすごい好きだったの。だからもう別にバンドなんかもうやんなくてもいいやと思ったんだけど。
その人の1人でやってる弾き語りライブは、都合がつく限り観に行ってたし。
吉田:うん。
加鹿:なんかそういうのって本当人間の多分性質な部分だと思うから、個人的な好みなんだけど。けど、すげえ大事だと思うよ
だってさ、0なわけないじゃんそれ見に来てくれてるメンバーに対してこっちが思うことはね。
吉田:本当にそういうところ、人として尊敬できるとは思ってて。
吉田 翔平という人間を知らないとこのバンドのことを好きにならないと思うから
吉田:今後について。
加鹿:そうね11月以降。なんかちょっと怖いのが、一旦ここで燃え尽きそうな気はちょっとしてるから。
吉田:大いにあると思う。人生の目標だから。
加鹿:そうそうそうだから、あれだけずっとやっぱり前から聞いてた話だから。舞台としてもふさわしいし。ってなって、この後、燃え尽きてちょっと逆に落ち着いてしまうのかなっていう気がしてるけど。
吉田:なんか自分より年上の音楽業界の人がいつも言うんだけど。
例えば去年アルバム出したときも、気合めっちゃ入れると燃え尽きることあるから気をつけろよっていうのを言う人が多くて。
加鹿さんもこのタイミングで同じことを思ったっていうのは、そういうバンドを結構見てきてるってことだよね。
加鹿:スケールはちょっと違うけどね、大体初企画とかやった子たち、みんなその後もう解散するから。
吉田:(笑)。
加鹿:むしろそれで解散するぐらいなら、もうそこでちょうどいいと思ってるけどね。やり切ったらいいんじゃないと思う。
吉田:やっぱ大きい所出る度に大人の人には、そういうふうに言われることがある。
加鹿:まあまあまあ、当たり前に思う。
吉田:でも俺はなんか全く思わなくて。
加鹿:まあだから単純に、その後の予定をある程度組んでおいた方がいいよってことで。
吉田:それはなんとなくあるけどね。決まってることもその時はあるんだろうけど。
終わった後どんな気持ちでいるかっていうのは、実際のところはわからない。
加鹿:俺はもう変な話、(いまのティンペッツは) セカイイチよりいいライブ出来てると思うよ。
吉田:それはない(笑)。今日もこの後セカイイチのライブ、観に行くんすよ。
加鹿:年内だったらもうね、12月になんか締めのワンマンとかしたり。
年明けだったらいろんなとこでまたライブできればいいなぐらいじゃない?
その前に何かリリースみたいなのあるの?
吉田:10月にリリースがあって。先の情報としては10月のリリースとWWWが今決まってること。
WWW終わったらまたレコーディングできたらなと思って。
吉田 なんていうか、セカオワとかKing Gnu じゃないけど、東京ドーム満員とかは目指してなくて。
加鹿:タイプが違いますからね。King Gnu がさ、一番かっこいいかって言われたらさ、別にそういうことじゃないじゃん。
吉田:人によると思うけど、まぁ。(笑)
加鹿:それは広い人に届いてて、セールス的には数字がこっちからしたら到底想像もつかない数字で。
クリエイティブだ、なんだって言われてるけど、じゃあ俺の心に届いてるかっていう個人的な話で言ったら全然ティンペッツの方が届いてて。音楽ってそういうもんじゃないの。
吉田:今加鹿さんが言ってくれたことが全てだと思うんだけど。
なんかぶっ刺さってくれる人というか、俺たちが今4人でいることを、それだけでも嬉しいって思ってるようなファンの人がたくさん増えればいいなっていうのは思う。
ビッグアーティスト目指してないとは言いつつも、やっぱりその分母が増えてほしいなっていう気持ちもあって。
加鹿:あれだよね。ティンペッツはさ、音楽だけが勝手に広がることはないと思う。
この吉田 翔平という人間を知らないと好きにならないと思うから。
もちろん音楽が先に好きになってくれて、プラス人間も知ってくれたらもっと好きになると思う。
吉田:うん。
加鹿:なんかお前がドライフラワー歌ってもさ、全然意味わかんないじゃん(笑)。
吉田:まあね(笑)。そういうところを狙っていけたらいいけど。
加鹿:なんか変な小細工いらないからさ。いい曲書いて、いい演奏で届けるって当たり前のことをもっともっと強くしていくと、絶対バンドメンバーとさ、吉田 翔平が成長するのよ。演奏の強化というか。魅せることに対してパフォーマンスとか、みんながもっとああしよう、こうしようっつって強化していって。
30分の完璧さをもっと詰めていったら、人間が絶対成長してるから、そしたらもっとみんな好きになってくれると思うよ。
吉田:うん。
加鹿:知らない人も、もっともっと聴いてくれると思うし。
そういう細かい何かを狙ってみたいな、こういう客が俺達好きなんじゃないかな・・・みたいなものを考えるターンはもう終わったでしょ。ずっとそれを考えてきたんだから。
吉田:まあね。でもそれが10代でも60代でもいいかなっていうのがあって。だからこそたくさん知ってもらう機会っていうのはこれからも増やしていきたいから。
加鹿:絶対お客さんも頑張ってるお前のことが好きだから。
そういうところをやっぱ見てほしいよね。だからずっと苦汁なめてる方がいいって。
吉田:(笑)。
加鹿:お客さんとしては、「吉田 翔平またつらいことになって、でも頑張ってるから俺たちを応援するぜ」みたいなね。
それがなんか不覚にも訪れたコロナによってさ、その画になってしまったんだけど。
吉田:(笑)。
加鹿:今そのWWWがまたあって、そこに立ち向かっていくかっこいい不死鳥ってなるんだけど。
じゃあその次だよね、次どういくんだっていう。その次は何を発表するんだろうなっていう。
吉田:でもまたあんなつらいこと(コロナ禍による中止や延期) もうやりたくないんだけど(笑)。
加鹿:それはまあそうなんだけど、でも自分でむしろ、つらい事を作っていかなきゃいけないのよ。
「またそんな大変なことするの〜!」って思わせなきゃいけないのよ。
吉田:なるほどなぁ。そこなのかな・・・。
加鹿:俺はそう思ってます。
対談の終わりに…
吉田:最後に、今回、結成5年でこの対談をやりましたが、加鹿さんは5年後もここ (DaisyBar) いますか?
加鹿:ここ? うん、いると思うよ。変わらないと思うけど。
吉田:そしたらまた次は10周年の対談やりましょう。
加鹿:ぜひ。
吉田:その日までお互い頑張るということで。
10周年までにはあと3回か4回ぐらいは、ここでイベントやると思うんで。
加鹿:ペースが落ちた(笑)。年1でもないんかい!
吉田:またDasiyBarでイベントやるとき、たくさんお客さん呼べるようにティンペッツを頑張りますので、お互い頑張っていきましょう。
今日はありがとうございました。
加鹿:ありがとうございました!
◆対談:加鹿 洋平 1985年生まれ
下北沢DaisyBar/Lagunaというライブハウスで働いてるただのサラリーマン。(自称)